あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
事実を知った凛は、ぼう然と口を開けていた。

「ハハハ。菊池さん大丈夫かぁ?」

「凛ちゃん、トムに任せておけば悪いようにはならないから安心して良いのよ」

「は…い…」
凛の運命が大きく変わり始めた。あっという間に週末、マンションへ引越しも済ませてた凛。

本当にこんなにお世話になってるので不安になり、久しぶりに会社帰りに喫茶店へ寄り、マスターに話しを聞いてもらった。

「トムなら大丈夫だよ。安心して任せちゃいなよ〜」

「でも!私は何も恩返し出来ないし…」

「恩返ししてもらおうなんてトムは思ってないと思うよ?
叔母さんも凛ちゃんと似た境遇だったし、トムも孤児でかなり苦労して会社を興したらしいよ」

「え、トムさんが?……」

「うん。だから凛ちゃんを放っておけないんだと思う。まあ、凛ちゃんが恐縮するのもわかるけど、悪い人たちじゃあ無い事は俺が保証するよ!」

「……」

「ところで、マンションの生活はどう?快適?」

「はい!セキュリティも万全でとても素敵なお部屋です!」

「それは良かった。叔母さんとトムは日本を中心に滞在するのかな?」

「はい。新しく日本で立ち上げる子会社の件があるので、今年は日本での滞在を長くするって言ってましたが、来週から2週間はアメリカへ行くそうです。」

「そうか。」

「じゃあマスターそろそろ帰りますね。お話しを聞いてもらってありがとうございました」

「うん。気をつけてネ」
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