あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
凛の気持ち
タクシーの中でも加山に力いっぱい掴まれた腕をさすっている凛。

あの時、宙さんが声を掛けてくれなければどうなっていたかと思うと…また手が震えてきた。

マンションに到着したら玄関前の歩道でお母さんが待っていてくれた。
「凛ちゃん!」とタクシーまで駆け寄ってくれ、支払うのに震えてなかなかお金が出せない私の代わりにお母さんがポケットからカードを出して支払ってくれた。

「お母さん……」とお母さんにしがみつきながらタクシーを降りた凛。

「凛ちゃん。宙からメールきて私もビックリしたわ。大丈夫?私につかまってね」と2人で部屋まで上がる。

ソファーに座ったらお母さんが
「怖かったでしょう。もう大丈夫よ!私もトムも宙も凛ちゃんの味方よ!」
とぎゅーっと抱きしめてくれた。

「お母さん!怖かった」とお母さんを抱きしめ返し、泣いてしまった凛。

「よし、よし、もう大丈夫よ。大丈夫…大丈夫…」
と私が落ち着くまで抱きしめながら背中をさすってくれた。
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