あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
その時かなりの音でベランダの窓に雨が当る。
「アレ? 雨が降り出したのかな…」

「オレがマンションに着いた頃は小降りだったけどな… 結構降ってきたね」と窓の方を見た宙。

その時、2人の携帯がけたたましく鳴り出した。
「うわぁ〜!!ビックリした〜」と凛が携帯をキッチンへ取りに行き、宙はズボンのポケットから出して音を止めた。

「大雨特別警報?!」と宙はベランダのカーテンを開けて外の様子を見た。

いきなりピカッ!と稲光が光り雷が落ちる。
その後もすぐ、大きな音の雷が稲光と共に3度も落ちた。

宙が振り返って凛を見るといないので、キッチンへ行くと、凛は耳をおさえてうずくまっていた。

「雷怖いの?菊池さん…」

「はい…子供の頃、庭の木に雷が落ちてから怖くて…」

すると、電気が消えた。
「キャー」と凛が叫ぶ。
宙が携帯でライトをつけて凛を照らした。

しばらくして非常灯がついたが…暗い。
凛は震えているようだった。
宙はうずくまっている凛を抱きしめて
「大丈夫。オレがついてる!大丈夫だ。」
また大きな雷の雷鳴が鳴った。

「キャー」とまた叫んだ凛は宙に抱きついた。
宙は凛に何度も
「大丈夫。オレがついてるよ。」と声をかけ、震えている凛の背中をさすっていた。

『やっぱり凛を1人にしたくない。
オレがずぅーと守ってやりたいし、
もう少し凛との距離が縮んでから、気持ちを伝えよう』と思った宙。
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