あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
パッ!と電気がついた。
目をギュッと瞑っていた凛の体の力が抜けた。
「大丈夫か?凛」と背中をさすっている宙。

「ああ!抱きついてすみません。」

「いや、オレの事はいいんだ。
それよりもう怖くないか?水でも飲むか?」と優しく声をかける宙。

「はい。ちょっと水を飲んで落ち着きます」

「うん。今持ってくるからこのまま座ってて」とテーブルの凛のコップを持ってきてくれた。
コップを受け取りゴクゴク水を飲んでから深呼吸をした凛。
宙は心配そうな顔をして凛の様子を見ていた。

「ふう〜。もう大丈夫です宙さん。」コップを凛から受け取り、凛の体を支えながらソファーに座らせた。

「いつも雷が鳴った時はどうしてるの?」

「急いでベットまで走って、布団をかぶって雷が収まるまでジッとしてます。

私が5歳くらいの頃……お婆ちゃんと2人で家にいた時に急に雨が降ってきて、
お婆ちゃんは外に干していた洗濯物を取り込んでて…全部中に入れて…
お婆ちゃんが窓を閉めたんです。
私は遠くで稲光がピカッって光るのが不思議で窓から眺めてたら…
どんどん雷の音が近くなってきて…
いきなり稲光が庭の木に落ちて木が割れて…燃えたんです。 
雷の音は真上で鳴って怖い!!って思ったら気絶してたらしいです。」

「目の前で木に雷が落ちたの見たらトラウマになるよな。
今度からは雨が降って雷が鳴る時は、オレが凛を守ってやるからな!安心しろ」

「……ありがとう…ございます」

「今日は、雨がやむまでココにいるよ」

「そうしてもらえると安心です。」
凛は宙がいてくれるだけで不安な気持ちが和らいだ。
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