あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
【歓迎会】当日****

皆んな早めに仕事を切り上げて会社近くのイタリアンレストランの個室へ向かう。

宙の根回しのおかげで、部長は
「皆んな、お疲れ様!今日は大阪支社から異動になった澄川くんと、総務部から異動になった菊池さんの歓迎会を始めます。
澄川くん、菊池さんこれからよろしくお願いしますね!
それから、皆んなにお願いなんだが…
澄川くんは大阪でストーカー被害にあって東京へ異動になりました。
彼から女性社員とは距離を取りたいと申し出がありました。
また、菊池さんは他社の男性社員から一方的な好意を向けられました。
彼女にアプローチなんかして恐怖心がぶり返す恐れがありますので、2人の事は必要以上の接近はしないようにして下さい。以上!
では、皆さんコップを持って下さい。
澄川くん、菊池さん営業部で共に頑張りましょう!! 乾杯!」カチン♪カチン♪と乾杯が終わった。

部長と課長の間に宙と凛が座る。
少しでも宙さんと話したい女子社員が部長たちにお酒を注ぎにくる。

男性社員は課長に注ぎに来て、私に名前を教えてくれた。

美咲も注ぎに来たので、課長を交えて話をした。
「課長、菊池さんは天然なのでよろしくお願いします」

「ああ、知ってる。ククク」

「え?天然? そんな事ないですよ〜」

「ハハ。凛は天然だからね!本人がわかって無いから面白いんだけどね〜」

「仲良し同期の中島さんがいれば安心だな菊池さん。」

「はい。本当に中島さんとは仲良しなんです」

そんな会話を聞き耳を立てて聞いている凛のファン。
少しでも凛に近づく方法を考えているようだった。

「菊池さん、帰りとか社内でも極力中島さんと一緒にいるんだよ」

「はい。ありがとうございます課長。」

歓迎会が終わり、2次会に流れていく皆さん。
私は課長と美咲と一緒に駅へ向かった。
宙さんは先輩社員に2次会へ連れて行かれた。
でも顔は会社仕様の無表情になっていた。
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