私に三次元の恋なんてありえない

一ノ瀬くんとデート

姫宮side
「ねぇねぇ〜、約束はきっちり守ってもらわないと」



完っっ全に忘れてたいた〜〜!!!



「桃先輩??」


え、今……



「名前!!!」




「あぁ、ダメだった?」




「別にいいけど…」




「なんか小野坂先輩が名前で呼んでるから俺も呼びたくなっちゃった」



また…ドキドキしてしまった…



「で?もちろん、行ってくれるんだよね??デート!」




「あ、はい…まぁ…うん」




「やった」



「それで、どこ行きたいの?」




「えぇ?先輩の家に決まってんじゃん」




「!?!?」



私は立ち止まって一ノ瀬くんの顔を見た。



「え、なに?」




「だめだめだめだめだめ!!!絶対ダメだかね!!! 」




「なんで」



「なんでって……」



「もしかして、オタクグッズいっぱいあるとか??」




「なっ!!」


なんでこんなに感が鋭いの!?



「図星じゃん笑、いいよ別に、俺そういうの気にしないから」




「気にしないとかそういう次元の話ではなくて、あの部屋入ると気になるものしかないっていうか、四方八方伊織に見つめられている感覚というか」



という言い訳をツラツラ述べたが、一ノ瀬くんにはきくはずがなく。



「何1人でぶつぶつ言ってんの」




「とにかく!!だめなの!!」




「じゃあ……」



と言ってカバンの中をゴソゴソあさって、紙のようなものを出した。



「これ行きたい」




「花火大会??」 




「そう!」



「…分かった」





一ノ瀬side

「お待たせ〜〜!」



「!?!?」



浴衣を着た先輩は俺の想像以上に可愛かった。



「着付け時間かかっちゃって………浴衣……どう、かな??変じゃ、ない?」




「すっげぇ似合ってる!!めちゃくちゃ可愛いじゃん!!」




「あ、ありがとう///じゃあ、行こっか」



「うん」



階段をのぼってるとき、男性2人組が丁度おりてきた。



「ははっ。まぁじ???うける」


先輩とぶつかりそうだな…



「危ない」



俺は、先輩の肩を掴んで、男性の反対側へと寄せた。



「危なかった」



「あ、ありがと」



「桃先輩はこっち側歩いて」



「うん…ありがとう…」



階段をのぼり終えると、そこにはたくさんの屋台があった。



その中でも先輩がじーっと見つめていたのが




「先輩、金魚すくいやりたいの?」



金魚すくいだった。




「あっ…やぶれた」




「ふふっ、一ノ瀬くん下手なんだね」



先輩が初めて笑った。

その顔がかわいくて、誰にも見せたくないと思った。



「わ、笑うなよ」




「ごめん笑でも、あまりにもあみ破れるの早いから笑」




「あっ、姫宮さんだってもう破れてる!」



「あれ!?ほんとだ〜!いつのまに!?」













「なんかお腹すいた」


  


「りんご飴食べたい」



先輩はそう呟いた。



「いいよ」



今日の先輩は、なんか子供っぽいな。



「おいしい?一ノ瀬くん」



「おいしい」



「私のとちょっと違うんだね」



「…食べる??」



「いいの!?」



「うん、はい」



間接キス、なんて先輩が考えてるわけないか…



あれんおいし〜!!











「あ!!!あれは!!!伊織様の限定フィギュア!!!どうしてこんなところに!?」




先輩の目線の先には、射的の景品であるフィギュアがあった。

もうこれはとるしかないと思い。



「おっちゃん、5発、いや10発、なんなら100発お願いします!!!!」




「一ノ瀬君!?えっちょっと何言ってんの!?」




「なにって、あのフィギアとろうとしてるの!」



「いくらなんでもやりすぎだから!!…ふふっほんと面白いね」



また笑った。



「そう?」




「…5発やってダメだったらいいよ、私諦めるから」



「でも」



「5発でお願いします」




「はいよ」




1発目 パァン    はずれ。
「惜しい!」

2発目 パァン    はずれ。
「惜しい!!」

3発目 パァン    はずれ。
「惜しい!!!」

4発目 パァン はずれ。
「おっしい!!!!」

5発目
ラスト1発……


絶対に!!このフィギュアをとって!
 

桃先輩を喜ばせるんだ!!!


パァン



俺がうったたまは、真っ直ぐに飛び、フィギュアに当たった。



「はいおめでとう、これ景品のフィギュアね」




「やったー!すごいね一ノ瀬くん!ありがとう!」




「うん、よかったね」





その後花火がよく見える高台にへ向かった。





「はい、水」



と、先輩に水を渡した。


「ありがとう」



「先輩って、笑うんですね」




「当たり前だよ、人間だもん……一ノ瀬くんこそ意外だったよ」



意外?何がだろう?



「あんなに一生懸命、フィギュアをとってくれると思わなくて」




「一発で決めたかったな〜」



ダサいよな、俺。



「そんなこと言わないで、すっごく、かっこよかったよ」



俺はものすごく嬉しかった。



「……」




ヒューーーーーー ドン ヒューーーーーー ドン


花火があがりはじめたみたいだ。


「お、はじまったみたいだね…………きれ〜い……」




「……ほんと、綺麗だな〜」



先輩横顔の横顔がかわいくて、つい口走ってしまった。


けど先輩には聞こえてなかったらしく。




「んー?なんかいっt」



気づいたら俺は、先輩の頬を両手で包んで



キスしていた。


  
「!?」



ヒューーーーーー ドン


そしてもう一度花火があがった後に言った。



「好き、桃先輩…俺と付き合って」





「え……」





「あれは、先輩が俺のこと好きになったら、今度こそちゃんと、先輩と付き合いたい」




「わ、私…好きとかそういうの、分かんなくて」




そうだ。鈍感な桃先輩に、恋愛感情が分かるはずない。






「で、でもね…一ノ瀬くんといると、なんだかドキドキしてね」





「え?」


この人今なんて?




「もっと一緒にいたいなって、思っちゃうの…」



本気で言ってるのか?



「これが、好きってことなのかな?」



俺は嬉しさのあまり先輩に抱きついた




「え!?どうしたの一ノ瀬くん!」




「すっげぇ嬉しい!……好きだよ、桃先輩」




「私も……好き」


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