夢のおわり、君とはじめる恋の続き
誕生日や家族構成、友達関係やバイトのことなど。


基本的なことは大体知れた。


他の女子みたいに今まで長濱くんに興味がなかったから、もしも入れ替わることがなかったらこんなに長濱くんについて知ることができなかっただろう。



「あ、そういえば私の部屋のベッド脇に日記帳置いてあったでしょ?」


「ああ」


「お互い、次の日に困らないようにその日あったことは日記に残すことにしよう。そうすれば昨日あったことがわかるでしょ?」


「いいけど、そんなに書くことないと思うけど。よくあんなにまめに書けるよな」


「…もう忘れたくないから」



真面目に返す私に長濱くんが不思議そうに首を傾げてきた。



「私、小四から前の記憶がないんだ。学校で事故に遭って思い出だけがすっぽり抜け落ちちゃったの。それから忘れることが怖くて、日記にでも残さないと落ち着かないの」
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