夢のおわり、君とはじめる恋の続き
棚からレトルトのカレーを取り出している晴翔くんに驚いて、思わず「え」と声を漏らす。



「お母さんは?」


「は?母さんが仕事で遅いのはいつものことだろ。レトルトかカップ麺か、机の上に置いてある金でなんか買えっていつも言われてるだろ。なにを今更」



家族構成の話をした時に、長濱くんから小さい頃に離婚したためお父さんがいないことは聞いていた。


お母さんは仕事で忙しくてあまり家にいないのか…。



なんだか、私の家とは真逆って感じだ。


私って本当に長濱くんについて何も知らないんだな…。





長濱くんと一日ごとに入れ替わるようになってから一週間近くが経ったけど、前みたいに周りから心配されることもなくなってきて長濱くんとうまくお互いになりきれるようになった。


長濱くんが残す前日の日記はいつも二言とかくらいで、前日の話を合わせるのが少し難しいけどそれでもうまく毎日を過ごせていた。
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