夢のおわり、君とはじめる恋の続き

「あんたたちはいつになったら付き合うわけ？この前の夏休みも、一緒に浴衣着て夏祭り行ったんでしょ？」


「中学のバスケ部みんなとだよ。それに太陽先輩とはそういう関係じゃないし…」


「またまたー。どっからどう見たってりょうおも…」


「きゃーっ！来た来た、瑠夏(るか)くんが登校してきたよ！」



茉弥の言葉を遮って黄色い悲鳴を上げた女子に、教室内にいた女子生徒達が一斉に廊下を振り向いた。



「またやってるよ…。みんなも飽きないね」


「瑠夏くんだよ！うちらも見に行こ！」



え、と言うよりも先に茉弥に連れられてドアの端っこから廊下を覗く。


向こうからやってきたのは隣のクラスの顔良し、勉強良し、スポーツ良しのなんでも完璧男子、長濱(ながはま)瑠夏だった。



一度も喋ったことのない彼をどうして知っているかというと、長濱くんはみんなのアイドル的存在で有名だからだ。


なんでもできる上にあの整いすぎた顔、ふんわりとゆるくパーマのかかっている髪の毛一本でもいいからほしいと願う女子はきっとこの学校にたくさんいるだろう。