夢のおわり、君とはじめる恋の続き
第三章 近づく距離と矛盾な心



手を伸ばせば届く距離にいるのに、黒い影には今日も追いつけない。


モヤモヤとした黒い影はゆっくりと何かを形作ろうとしていた。


あれは…。





テスト週間が終わり、校内は文化祭前の独特なワクワクとした雰囲気で溢れていた。


私のクラスはフォトスポットに力を入れている喫茶店、長濱くんのクラスは食べ歩きチュロスの販売をやることになっている。



「凪咲!」



看板に使う段ボールを抱えながら廊下を歩いていると、後ろから太陽先輩が爽やかな笑顔で駆け寄ってきた。



「大会お疲れ様でした」


「ありがとう。マネージャー俺からお願いしたのに、結局中途半端に終わっちゃってごめんね」
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