シャノワールへようこそ!

席替えとくじ運

「じゃあ、席移動して帰れよー」

担任の大塚は気怠そうにそう言い残すと、教室を後にした。

今日の帰りのホームルームは席替えだった。

クラスの目立つ女子が先生におねだりした結果、「じゃあ、するか、席替え」と、急遽することになり、今にいたるというわけだ。

私の席は窓際の一番後ろで、元々席替えする必要性なんて感じていなかったんだけど。

仕方がない。

私は重い腰を上げた。


新しい席は__

「どうも」

「……!」

うそ、

もう二度と関わることなんてないと思ったのに。

まさか__


隣の席が高野くんになるなんて。

呆けていると、高野くんの一つ前の席、私から見て斜め前の席の男子__山口宗介くんがひょっこりと顔を出し笑った。

「藤沢さんだっけ? はじめて話すけど、よろしくね〜」

山口くんは、高野くんと同じサッカー部に所属している、高野くんとクラスで一番仲が良い男子だ。

いつもニコニコとしている人で、私はいまいち彼が何を考えているのか分からなかった。

「……よろしくお願いします」

「アハ、敬語じゃなくていいのに。な、高野」

山口くんは高野くんの肩を抱いて言った。

「あぁ」

高野くんが短く相槌を打つ。

すると、一瞬、彼と目があいそうになって、

私は思わず視線をそらした。
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