すきとおるし
本当は、四人で来るはずだった。去年も一昨年も四人だった。
ただし去年はわたし以外の三人は日帰りで、滞在数時間で慌ただしく解散となった。
だから今年は三ヶ月前に日時の連絡を入れ、三人からの返答を待った。
それから二ヶ月、反応はなく、結局一ヶ月前になって、ふたりから「休みが取れなかった」と連絡が入った。
唯一保留だった彼は、一週間前になって、仕事を理由に不参加を決め、そして口論になった。
本当は、四人で来たかった。今年もまた。
だから三ヶ月前から日時の候補を伝えて、みんなの希望を聞いて、調整するつもりでいたのに。いつまで経っても連絡はなく、仕方なくわたしの都合で日時を決め、ホテルや新幹線の予約もした。
特別だったからだ。毎年四人で集まることを、ずっと続けていきたかった。
でも三人は違った。わたしほど、この集まりを特別に思っていなかったのだ。
この温度差もまた、違和感のひとつだろう。
気まずさですっと顔を背けると、彼はわたしの頭をがっしりと掴み、正面を向かせながら「行くぞ」と。まるで何事もなかったかのように促した。
そして、思いがけない同行者と共に、炎天下へ足を踏み出したのだった。