甘く熱い蜜月(続・OMENS OF LOVE)
この時、私たちは市が運営する読書会からの帰り道だったのだが…。

私は、歩きながら飲みかけていたボトルのミネラルウォーターを思い切り吹き出した。

「あ、あんたって…よく臆面もなくそんなこと言えるわね…」

「だって、先輩がハッキリ言えって言ったんじゃないですか」

確かにそれはそうだが、まさかそこまで露骨なことを言われるとは思わなかった。

「温泉旅行に誘うあたり、最初からそれもコミコミの気でいたんでしょ?」

「そのつもりでしたけど、合意は大事だし、敢えて言ってみたくて」

「はいはい…。話戻すけど、私の趣味がよくないのは森川も知ってるでしょ?自分なりに真面目に選ぶけど、あとで文句つけないでよ」

「つけるわけないじゃないですか」
< 5 / 46 >

この作品をシェア

pagetop