甘く熱い蜜月(続・OMENS OF LOVE)

温泉旅行の回想

そして、いよいよ温泉旅行の日。

家族には、友達と旅行に行くと嘘をついたので、森川には家まで迎えに来て貰ってはマズい。

すぐ近くの広い公園のパーキングには車も多いが、森川の青い車は目立つからすぐに見つかる。

「お待たせ」

そう言うと、森川はトランクにボストンを入れてくれた。

「先輩…いよいよですね」

森川の目が、キラキラというよりは、ギラギラと輝いているので、内心ちょっと引いて、苦笑いしてしまう。

市街地を抜け、車が山道へと入っていくと、私の髪のように赤や黄色に色づいた山々の美しさに心癒される。

生まれ持った黒髪が好きではなく、こんな派手に毛染めをしているのに矛盾しているかもしれないが、こういう風景を眺めていると、日本人でよかったと思う。

目的地までの途中、道の駅には有名なＢ級グルメなどもある。