甘く熱い蜜月(続・OMENS OF LOVE)
景色は美しく、空気も食べ物も美味しい。最高だ。

大学卒業後の進路は、都内に残るか、田舎に戻って家業を継ぐかで迷ったものの、戻ってきて正解だったのだろう。

そうでなければ、森川と再会することもなかったのだから。

それにしても…。

普段は私が、

「バカップル丸出しはみっともないし、公衆の面前でベタベタするのはやめよう」

と、釘をさしておいたので、森川は、夜道でもない限りは手も繋がない爽やかな彼氏でいてくれるが、人目がなくなった途端、ベタベタしてくる癖がある。

今日は平日で、地元から離れた道の駅に居るせいか、真っ昼間から、ここぞとばかりにひっついてくる森川。

「こんなところには知ってる人もいないし、もう暑がるような季節でもないから、いいでしょう?」

という言い分。

私も私で、旅の恥は掻き捨てだと割り切って、たまにはいいかな…と思ってしまう。
< 8 / 46 >

この作品をシェア

pagetop