甘く熱い蜜月(続・OMENS OF LOVE)
宿を目指して、車は再び走り出した。

どんな宿かは、当日のお楽しみだと森川が言うので、今日がお誕生日でもある森川に委ねることにして居る。

「あと4ヶ月だけは、同い年で居られるね」

3月生まれの私が言うと、

「それもいいんですけど、1つ上の女房は金の草鞋を履いて探せと言われるぐらいなので、先輩は早く24になってください」

そんな無茶な答えが返ってくる。

流れる景色を眺めながら、今夜泊まるのは、きっと素敵な宿なのだろうと、密かにワクワクしている私。

しかし、実は昨夜、まるで遠足前の子供のように、なかなか眠れなかったせいもあり、急に睡魔が襲ってきて、そのまま眠ってしまっていた。

「先輩。着きましたから、起きてください」

そう言われて目覚めると、こぢんまりとしていて、しかしまだ新しいと思われる宿の駐車場に居た。
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