『46億年の記憶』 ~命、それは奇跡の旅路~   【新編集版】
「つわりだね」

 帰宅した新が考子の体調を案じた。

「無理して食べなくてもいいんだよ。それに、食事も作らなくていいからね」

 彼は台所へ行って、自分用の肉野菜炒めを作り始めた。

「ごめんね」

 考子はソファに横になったまま力ない声を出した。

「しんどい時は無理しないこと!」

「しんどい、か……」

 久々に聞いた関西弁に考子は思わずほっこりした。

 そうなのよ、今の自分の状態は〈辛い〉ではなく〈しんどい〉がピッタリなの。なんかいいな~関西弁って。
 
 そう思っていると、気持ちがどんどんほっこりしてきて、しんどく無くなってきた。

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