ギャップ男子超短編×3
いつもクールなくせして、誰にも見られない端っこの席でこの笑顔をたまに見せる。



「雪城くん」



元通り前を向いた雪城くんの名前をもう一度呼ぶ。



朝の日差しに照らされた彼は、誰からどう見ても綺麗。



その彼が私の目を見ている。



振り返った彼が不思議そうに私を見た。



「すき!」



付き合ってはいない私たち。



でもこの秘密の時間は、誰にも譲りたくない。



お互いを見つめる、この大切な時間。



私の言葉に珍しく顔を赤らめた雪城くんは、目を逸らしながらも小さな声で呟いてくれる。



「……俺も」



彼の裏の顔は私だけ。
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