星の数ほどいる中で【完】
序
たった一人と出逢う。
それはきっと、運命と呼ぶもの。
出逢った瞬間胸は高鳴り、その人から目が離せなくなり、一目で恋に落ちたとわかる……。
それが、恋のはじまり方。私はそう聞いて育った。
まさしく、そんな出逢いをした両親から。
そして自分も、いつかそんな風に相手と出逢うんだ、一生に、たった一人の人と。
と、ドキドキしていた。
結果。
……高校二年生。彼氏どころか、初恋すらまだだった。
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