君とリスタート 剣士様は抱き枕を所望する
「運の良し悪しなのか、何かしらの条件や状況があるのか、それとも、本人の生きたいという強い意志によるものなのかは理屈は解明されていない。けれど、人智を超えた非道徳な現象が過去数例、確認されていてね。俺も、僅かな望みで試させて貰ったて訳さ」
「・・・」
「命を、吹き返してくれたよユキトは、魔族のシオンとしてだけどね。これを成功と表現していいのか、俺には今だ分からない」
「・・・っ」
「ただ、記憶が消去されるらしく。史実によれば、忘れるのではなく、失うのだそうだ。一度、死を迎えたからなのか、それとも体が魔族として生まれ変わったからなのか。どのみち、過去、人間として過ごした時間の記憶が戻る事は無い。俺のこの話を、信じる信じないかは、君に任せるよ」
その場で膝を折り、ライは天を仰ぎ見る。
ライの瞳から停めどなく溢れ出す涙。
ーーーーそんな有り得ない奇跡、信じられる訳がない。荒唐無稽もいいとこだ。魔王の、何らかの意図による都合の良い作り話をされているだけだ。
でも、シオンを愛おしく想えたのは、ユキトだったからなんだと、呆気なく認めてしまえる自分が居る。
シオンを、心のままに愛していいのだと、喜んでいる自分が居る。
「ユキトの思念には、ライ、君への愛情で溢れてた、君に凄く会いたがっていたよ。まぁそう簡単には、信じられないとは思うよ、何なら、君しか知らないユキトの黒子の位置とか、シオンで確認し」
「魔王、いや、ヒカル」
「ん?」
涙を拭い、ライは片膝立ちになり頭を下げる。
両拳も床に突き、ヒカルに忠誠を誓う低い姿勢を取る。
「感謝する」
「・・・頭を上げてくれ。だから、種明かしなんてしたくなかったんだ。俺は、自分の身勝手な判断が正しかったとは思っていない、感謝なんてされたくないね」
「感謝するよ、ヒカル」
もう一度、力強くライは言い切る。
ヒカルは、あからさまに迷惑そうな顔を浮かべながら「立ってくれ」と、ライに指示を出す。
言われるがままに、迷いの消えた表情をしながらライは膝を伸ばし立ち上がる。
「・・・」
「命を、吹き返してくれたよユキトは、魔族のシオンとしてだけどね。これを成功と表現していいのか、俺には今だ分からない」
「・・・っ」
「ただ、記憶が消去されるらしく。史実によれば、忘れるのではなく、失うのだそうだ。一度、死を迎えたからなのか、それとも体が魔族として生まれ変わったからなのか。どのみち、過去、人間として過ごした時間の記憶が戻る事は無い。俺のこの話を、信じる信じないかは、君に任せるよ」
その場で膝を折り、ライは天を仰ぎ見る。
ライの瞳から停めどなく溢れ出す涙。
ーーーーそんな有り得ない奇跡、信じられる訳がない。荒唐無稽もいいとこだ。魔王の、何らかの意図による都合の良い作り話をされているだけだ。
でも、シオンを愛おしく想えたのは、ユキトだったからなんだと、呆気なく認めてしまえる自分が居る。
シオンを、心のままに愛していいのだと、喜んでいる自分が居る。
「ユキトの思念には、ライ、君への愛情で溢れてた、君に凄く会いたがっていたよ。まぁそう簡単には、信じられないとは思うよ、何なら、君しか知らないユキトの黒子の位置とか、シオンで確認し」
「魔王、いや、ヒカル」
「ん?」
涙を拭い、ライは片膝立ちになり頭を下げる。
両拳も床に突き、ヒカルに忠誠を誓う低い姿勢を取る。
「感謝する」
「・・・頭を上げてくれ。だから、種明かしなんてしたくなかったんだ。俺は、自分の身勝手な判断が正しかったとは思っていない、感謝なんてされたくないね」
「感謝するよ、ヒカル」
もう一度、力強くライは言い切る。
ヒカルは、あからさまに迷惑そうな顔を浮かべながら「立ってくれ」と、ライに指示を出す。
言われるがままに、迷いの消えた表情をしながらライは膝を伸ばし立ち上がる。