君とリスタート 剣士様は抱き枕を所望する
第二話「森を出る前に寄り道を」
ラビア国。
小さないざこざはあれど、人間と魔族が共存する平和な国だ。
そして今、とある森を闊歩する男女。
「シオンって魔族だよな?」
「分かるの?」
「色々場数を踏んできたからか、いつの間にか魔力感知が出来る様になってた」
「魔族は嫌い?」
「まさか。可愛い子なら、人間も魔族も俺は好きだよ」
ライの後を、シオンは次いで歩いていた。
シオンにとっては同じ景色続きで、方角など全く掴めないと言うのに、ライは迷いなく進む。
自分より格上の探知技術を見せつけられ、多少なりの悔しさをシオンは抱く。
どーん、どーん。
先ほどから、遠方で何かが壊れる様な物音が定期的に響いてくる。
「魔物同士の争いでも起こってんのか?」
「そんな所でしょうね?」
暫くすると物静かになり、どうやら決着が付いた様だ。
シオンは静かに足を止める。
「ねぇライ。寄り道して行かない?」
「構わないけど」
「ありがとう」
軽く礼を述べた後、シオンはライが進もうとしていた方角と異なる向きへと走り出す。
ライもそれに続く。
ライは、シオンがどこに向かおうとしてるのか、すぐに察しがついた。
進むに連れ、血の匂いが濃厚になっていく。
辿り着いた場所には、4メートルはあるであろう、血みどろな大きい熊が。
その熊は、胸に3本傷があり微動だにしない子熊を抱え、ガウガウと泣いている。
子熊と言っても2メートルはある。
何と戦っていたかは定かではないが、この熊親子は負けたのだろう。
子熊はもう虫の息だ。
小さないざこざはあれど、人間と魔族が共存する平和な国だ。
そして今、とある森を闊歩する男女。
「シオンって魔族だよな?」
「分かるの?」
「色々場数を踏んできたからか、いつの間にか魔力感知が出来る様になってた」
「魔族は嫌い?」
「まさか。可愛い子なら、人間も魔族も俺は好きだよ」
ライの後を、シオンは次いで歩いていた。
シオンにとっては同じ景色続きで、方角など全く掴めないと言うのに、ライは迷いなく進む。
自分より格上の探知技術を見せつけられ、多少なりの悔しさをシオンは抱く。
どーん、どーん。
先ほどから、遠方で何かが壊れる様な物音が定期的に響いてくる。
「魔物同士の争いでも起こってんのか?」
「そんな所でしょうね?」
暫くすると物静かになり、どうやら決着が付いた様だ。
シオンは静かに足を止める。
「ねぇライ。寄り道して行かない?」
「構わないけど」
「ありがとう」
軽く礼を述べた後、シオンはライが進もうとしていた方角と異なる向きへと走り出す。
ライもそれに続く。
ライは、シオンがどこに向かおうとしてるのか、すぐに察しがついた。
進むに連れ、血の匂いが濃厚になっていく。
辿り着いた場所には、4メートルはあるであろう、血みどろな大きい熊が。
その熊は、胸に3本傷があり微動だにしない子熊を抱え、ガウガウと泣いている。
子熊と言っても2メートルはある。
何と戦っていたかは定かではないが、この熊親子は負けたのだろう。
子熊はもう虫の息だ。