君とリスタート 剣士様は抱き枕を所望する
「ライ。俺は暫く、サクラコと二人でラビア国を旅して回ろうと思ってる。色んな風景を、サクラコと一緒に眺めて楽しむ予定だ」
「そっか、ま、楽しんでくれ。俺はヒカルには返しきれない恩がある、何か頼み事がある時は遠慮なく言ってくれ、速攻引き受けるからさ」
「では、恩人としてではなく友人として頼みがある。シオンが警備隊を寿退社するまで、シオンの補佐役兼、警護を買って出てくれないか?」
「頼みでも何でもないだろそれは。俺は二度と、シオンから目を離すつもりはないよ。そもそも、寿退社してくれるのか?シオンの奴」
「どうだろうな。これから先の事は、二人で決めて行くんだな」
「あぁ、そうするよ」
ライは、安心して眠るシオンの寝顔を、だらしない表情でただ眺め、愛しさを実感するのだった。
「可愛いなシオン。愛しい気持ちって上限ないよな」
「同感だな」
*****
翌朝、王都を離れ、別れ道。
落ち込むシオンの頭を、ヒカルが撫でる。
「お使い、任せたぞ、シオン」
「はい。魔王様とサクラコも、道中お気を付けて」
「シオンちゃん大好きよ。またね」
サクラコはお別れの口付けを、シオンの頬へと贈る。
ヒカルとサクラコは、二人だけの旅に揚々と出発して行く。
シオンは、新しい任務として、ヒカルから預かった物を届けに、魔鳥が行き来出来ない辺境地へと向かう事に。
「さて、俺達も行こ、シオン。ヒカルのお使い、さっさと済まそうぜ」
「一つ疑問、なんでライが当然の様に私と一緒に行く流れになってるの?ライの旅の目的って、サクラコをラビア城に送り届けて終いの筈でしょ」
「まぁ、そうなんだけどさ、別にいいだろ?俺が一緒でも」
「私の任務に付いて来る動機は?」
「シオンさん、面白がって聞いてるだろ。いつぞやの立場逆転になってますが」
「ふふ、まぁね。動機、教えて」
「俺が、シオンの事を愛しくて堪らないからですよ。言っとくけど、シオンと違って、その場の思い付きの作り話じゃないからね」
「うん、ありがと、嬉しい」
「信じてないだろ」
「信じたいけどね。行こ、ライ」
進み出そうとするシオンを背後から抱き寄せ、ライは耳元で怪しく囁く。
「今度は、俺がシオンの抱き枕になる番な。好きに抱き締めていいからね」
「そ、そんな交換条件、私は出さないわよっ」
「はは、冗談だよ」
「ライが言うと、冗談に聞こえないの」
「まぁ、七割方は本気だしな」
「本気の配分多くない。でも、時々は・・・抱き締めさせて、欲しいかな、とは思うけど」
「不意に可愛い事を・・・情緒が壊れる。昼間なのに、我慢が効かなくなりそうだ」
シオンは、ライに抱きつかれたまま中々離して貰えず、お遣いが始められずにいた。
最終話「王都であれやこれ」終
「そっか、ま、楽しんでくれ。俺はヒカルには返しきれない恩がある、何か頼み事がある時は遠慮なく言ってくれ、速攻引き受けるからさ」
「では、恩人としてではなく友人として頼みがある。シオンが警備隊を寿退社するまで、シオンの補佐役兼、警護を買って出てくれないか?」
「頼みでも何でもないだろそれは。俺は二度と、シオンから目を離すつもりはないよ。そもそも、寿退社してくれるのか?シオンの奴」
「どうだろうな。これから先の事は、二人で決めて行くんだな」
「あぁ、そうするよ」
ライは、安心して眠るシオンの寝顔を、だらしない表情でただ眺め、愛しさを実感するのだった。
「可愛いなシオン。愛しい気持ちって上限ないよな」
「同感だな」
*****
翌朝、王都を離れ、別れ道。
落ち込むシオンの頭を、ヒカルが撫でる。
「お使い、任せたぞ、シオン」
「はい。魔王様とサクラコも、道中お気を付けて」
「シオンちゃん大好きよ。またね」
サクラコはお別れの口付けを、シオンの頬へと贈る。
ヒカルとサクラコは、二人だけの旅に揚々と出発して行く。
シオンは、新しい任務として、ヒカルから預かった物を届けに、魔鳥が行き来出来ない辺境地へと向かう事に。
「さて、俺達も行こ、シオン。ヒカルのお使い、さっさと済まそうぜ」
「一つ疑問、なんでライが当然の様に私と一緒に行く流れになってるの?ライの旅の目的って、サクラコをラビア城に送り届けて終いの筈でしょ」
「まぁ、そうなんだけどさ、別にいいだろ?俺が一緒でも」
「私の任務に付いて来る動機は?」
「シオンさん、面白がって聞いてるだろ。いつぞやの立場逆転になってますが」
「ふふ、まぁね。動機、教えて」
「俺が、シオンの事を愛しくて堪らないからですよ。言っとくけど、シオンと違って、その場の思い付きの作り話じゃないからね」
「うん、ありがと、嬉しい」
「信じてないだろ」
「信じたいけどね。行こ、ライ」
進み出そうとするシオンを背後から抱き寄せ、ライは耳元で怪しく囁く。
「今度は、俺がシオンの抱き枕になる番な。好きに抱き締めていいからね」
「そ、そんな交換条件、私は出さないわよっ」
「はは、冗談だよ」
「ライが言うと、冗談に聞こえないの」
「まぁ、七割方は本気だしな」
「本気の配分多くない。でも、時々は・・・抱き締めさせて、欲しいかな、とは思うけど」
「不意に可愛い事を・・・情緒が壊れる。昼間なのに、我慢が効かなくなりそうだ」
シオンは、ライに抱きつかれたまま中々離して貰えず、お遣いが始められずにいた。
最終話「王都であれやこれ」終