怖そうな彼は実はとってもかわいい
へあ? 


予想外の言葉に私は目を丸くする。



「なんで…?」



私が聞き返すと矢熊くんはバツの悪そうな顔をした。



「…一昨日のこと話したいから」



私にしか聞こえないくらいのボソッとした声で喋る。


ああ…なるほど…?



一昨日のことで、喋ることって何があるんだろう…と思いつつも私は頷いた。



「わ、分かりました…」



私がそう言うと、矢熊くんは険しい表情のまま教室に入って行った。




矢熊くんの背中を見送っていると、後ろから友達に思い切り肩を揺さぶられた。

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