怖そうな彼は実はとってもかわいい
「フッ」



…えっ。




「なんでそんなにテンパってんの」



笑った…。



矢熊くんが笑った…!




予想外の優しい笑顔に胸がドキッとした。





「え、いや…」




「照れた顔が見たかったから」なんて絶対に矢熊くんに言えない。


なんとかして違う理由を考える。




「なんか矢熊くんいつにも増して表情険しいし、怒ってるのかなー…なんて…」



さっき本当にそう思ってたから、嘘ではない。




「え。…そんな表情険しかった?」



「はい…、なんか目付きが鋭かったです」



「……あ」



矢熊くんは何か思い当たる節があるような顔になる。
< 22 / 24 >

この作品をシェア

pagetop