怖そうな彼は実はとってもかわいい

　「うわ〜可愛い…」
　


　1人でいるのに、思わず口から漏れてしまうほど可愛い見た目をしているお店。


　ここが私が今日から1ヶ月バイトするカフェだ。



　お店の屋根はピンクと水色のストライプが交互に塗られていて、その下には鉢植えに植っていお花が置かれている。

　

　お店の大きさはこぢんまりとしているけど、それが余計に可愛さを際立てていた。



知り合いのツテで働くことになったのだけど、思っていたよりもオシャレで可愛くて少し驚くと同時に、とてもワクワクしてきた。





　「松藤(まつふじ)いずみです！よろしくお願いします」



　私は元気よくと笑顔を心がけて挨拶をする。


　「よろしくね、松藤さん。店長の若山です、分からないことあったら気軽に聞いて」
　


　優しく、でも、ハッキリとした声。


　仕事ができるお姉さんって感じだ。



　「とりあえず最初は出来上がった料理をお客様に運ぶのをやって欲しいの」


　お客様に運ぶ上での注意点や、言わなくてはならないことなどをメモを取りながら頑張って覚える。


　「よし、じゃあ初仕事！これ、あそこの席に運んできてくれる？」