繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 自警団の制服を着ているが、紛れもなくテオドルであることに胸が熱く苦しくなる。
 私が夢中で私を庇う彼の背中へしがみつくと、チャキ、と剣を先生の手首にあてがった。

「再び問う。切り落とされたいか?」
「ヒッ」

 テオドルの地を這うようなその低い声に怯えた声をあげた先生は、すぐに私の腕を離して後退った。

「そのまま行け、二度と彼女に近付くな。見つけ次第四肢を一本ずつ切り落としてやる」

 そう言ったテオドルの声色があまりにも低く恐ろしかったのか、何度も転びながら逃げる先生に私は思わず笑ってしまった。

 遮断魔法が切れたからだろう。少しずつ周りにざわめきが戻り、視線も感じ始める。

(それはそうよね、こんな人通りのある場所で剣を抜いた自警団員に女性が抱き付いているんだもの)

 事件なのか修羅場なのか。好奇心の混じった視線が刺さり居心地が悪いのか、テオドルが慌てて剣を仕舞った。

「自警団員になっていたのね」
「……はい」
「ずっと探していたのに、気付かなかったの?」
「俺はもう貴女に会うつもりはありません。これきりです」
「そう……」

 突き放すように言い切られる言葉。
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