繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
「私はこのままでも十分気に入ってるわ」

 そう断言すると、曇っていた彼女の表情が柔らかくなる。

(良かった、機嫌が直ったのね)

 その事に安堵した私の髪を器用に編み込み、今朝摘んだばかりの可愛い生花を耳の上へと挿してくれた。
 ピンクブロンドの髪に白い花がよく映える。この花の名前は何だった?

(まぁ、いいか)

 一瞬何か大事なことを思い出しかけた気がするけれど、今はそんなことよりおめかしだ。

「今もっと気に入っちゃった!」
「もう、おだてても何も出ませんよ?」
「本心だってば! ね、早くテオドルに見せたいわ」
「かしこまりました」

 うきうきとリーヤの手を引くと、くすりと笑った彼女が頷いてくれる。

(やっと彼に会えるわ!)

 毎日会っているはずなのに、どうしてだろう。
 何年も会えていなかったように感じ、私は逸る心を抑えられそうになかった。
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