繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件

15.重なる温もり

 先生に襲われテオドルと再会出来たあの日、リーヤと別れた場所から結構離れてしまっていたが人目を集めていたせいか、リーヤとリーヤが連れてきてくれた憲兵が私たちを見つたのは、あの会話をしたすぐ後だった。

 人目を気にせず泣きながら抱き合う私たちに憲兵は戸惑っていたが、リーヤからすれば初対面の男に抱き締められ泣いている主人という光景。
 その光景を見たリーヤが怒り狂いながら憲兵に逮捕を要求したのを聞き、私が慌てて止めたのは言うまでもない。

(本当、あの時はどうしようかと思った)

 当時の事を思い出しクスクスと笑みが溢れる。
 事件はまだあった。

 あの後、テオドルを連れて家へと戻り父へ結婚する旨を告げたのだが、その突然の報告にショックを受けた父がその場で気絶してしまったのだ。

 まぁ、父からすれば一人娘が突然見知らぬ男を連れ帰り結婚すると言い出せばそうなるのも仕方ないだろう。
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