繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
(十七!? どういうこと、さっきまでのは全部夢だったの?)

 その想定外の答えに愕然としていると、リーヤが驚いたように声をあげた。

「汗がびっしょりです! すぐに着替えを、いえ、まずはお風呂に入られますか?」
「え、えぇ。そうね、お願い」

 夢のせいか把握できてない現状のせいか冷や汗が止まらない。
 リーヤと浴室へ向かいながら、私はただただ呆然としていたのだった。

 ◇◇◇

「考えれば、悪くないわよね」

 軽く汗を流しベッドへ戻った私は、寝転がりながらそんなことを呟いた。
 もしさっきまでのがただの夢なら夢で問題ない。
 だがもしあれが未来の出来事なのだとしたら?

(三年も戻ったんだもの、今なら借金を作る前かもしれないわ)

 未来の出来事だとして私のデッドラインは二十歳直前だ。
 その頃にはもう返せないほどの借金があり、私が嫁ぐことになる。
 折角回帰したのであれば、その悪夢のような未来を変えられるかもしれない。

「もし未来が変えられれば、テオドルと……って、何言ってるのよ、私は!」

 最初のことはあまり覚えていないが、少なくとも前回私を殺したのはテオドルである。
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