繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 私が頼んだからとはいえ、あんなにあっさりと私を殺すような人をまた好きになるはずはない。ない、はず。ないわよね?

(一度会いに行かなきゃ)

 自分の気持ちながらどうしてかよくわからず、私はひとり首を捻った。

 きっと彼は騎士団の訓練所にいる。
 まだ夜明け前なので、用事を済ませたら必ず彼の元を訪れてみようとそう決意する。

「その為に、まずは借金の真相を調べなきゃ」

 お父様がお人好しすぎて誰かの借金の肩代わりをしたか、騙されたのか。
 ギャンブルなどをする人ではないので、カジノで作ったものではないはずだ。
 どこかへの投資話を持ち出され乗った可能性もある。

 ベッドでゴロゴロと転がりながらそう結論付けた私は、日が昇ったらまず父の執務室へと向かうことを決めたのだった。


 今日はもう眠れないかな、なんて思っていたのだが、あの後あっさりと寝落ちしてしまった私はいつもより遅い朝食を部屋へと運んで貰う。
 いつもなら父とダイニングで食べるのだが、寝坊したせいできっともう執務室にいるだろう。

(どうしてぐっすり寝れちゃうのよ、私!)
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