繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 私が殺されたのは日付的には未来のことだが、気持ち的には昨晩の出来事。
 現場もこの部屋どころかぐっすり寝ていたあのベッドである。

「自分が殺されたベッドで寝過ごすとかどれだけ緊張感がないの……!」

 自分でも自分の神経が信じられず、いつからこんなに楽観主義になったのかと頭を抱えながらリーヤが並べてくれた朝食を勢いよく口に放り込んだ。

「そういえば、私っていつから二階に部屋を移したんだっけ……」

 食べながら部屋を見渡し、ふとそんな疑問が芽生える。

(だって二階だと、テオドルにこっそり会いに行けないわ)

 そんな考えが頭を過り、だから相手は私を殺した人なんだってと思考をリセットするように顔を大きく左右へ振った。

「十歳頃ですよ、バルコニーから落ちないよう手すりからすり抜けられなくなったお年です」
「あー、そう言われればそうだったかも」

 我が家のバルコニーの手すりにある格子の幅が少し広く、その為格子からすり抜けて落下しないほど大きくなるまでは一階の部屋を使っていたのだと思い出す。

「まぁ、庭が一望できるしこの部屋気に入ってるんだけどさ」
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