繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
4.処理済みという事実
「不毛だわぁ……」
あーあ、と思わず遠い目をしてしまう。
夢での出来事とはいえ、自分を殺す相手を好きだなんて愚かとしか言いようがない。
それに夢にまで見るのだ、それだけ私の潜在意識というやつが彼を危険だと警鐘を鳴らしているに違いない。
(でも、やっぱり好きなのよねぇ)
真剣に書類へ視線を落とすその眼差しも、父の補佐をしながら一歩後ろで佇むその立ち姿も格好いいのだ。ずるいだろう。
それに私の名前を呼ぶその声だって温かくて、どうしても幼馴染として彼と一緒に庭園で遊んだ――こと、あったかしら?
つい記憶の海へトリップしていた私だったが、ふとそんなことを疑問に思い首を傾げた。
一歳年上のテオドルと一緒に遊んだ幼いころの光景が思い出せるのに、どう考えてもそんな記憶がない。
「ま、まさか私の妄想なんじゃ」
「ソフィ、……ソフィ?」
「え、あ、何かしらお父様」
私の名前を呼ぶ父の声にハッとし、慌てて返事をすると、すぐに苦笑を向けられる。
「いや、そもそもソフィが僕の執務室に来たんだろう?」
「あっ、そうだったわ」
あーあ、と思わず遠い目をしてしまう。
夢での出来事とはいえ、自分を殺す相手を好きだなんて愚かとしか言いようがない。
それに夢にまで見るのだ、それだけ私の潜在意識というやつが彼を危険だと警鐘を鳴らしているに違いない。
(でも、やっぱり好きなのよねぇ)
真剣に書類へ視線を落とすその眼差しも、父の補佐をしながら一歩後ろで佇むその立ち姿も格好いいのだ。ずるいだろう。
それに私の名前を呼ぶその声だって温かくて、どうしても幼馴染として彼と一緒に庭園で遊んだ――こと、あったかしら?
つい記憶の海へトリップしていた私だったが、ふとそんなことを疑問に思い首を傾げた。
一歳年上のテオドルと一緒に遊んだ幼いころの光景が思い出せるのに、どう考えてもそんな記憶がない。
「ま、まさか私の妄想なんじゃ」
「ソフィ、……ソフィ?」
「え、あ、何かしらお父様」
私の名前を呼ぶ父の声にハッとし、慌てて返事をすると、すぐに苦笑を向けられる。
「いや、そもそもソフィが僕の執務室に来たんだろう?」
「あっ、そうだったわ」