繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 まさかそんなあからさまに怪しいものへ手を出そうとしているだなんて、と血の繋がった実の父でありながら呆れて他人のフリがしたくなった。

「魔力を沢山込める必要があるんだけど、その薬があればどんな病でも治せるんだって」
「はぁ……」
「まずはその瓶を買う必要があって、それが凄く高いんだけど、でも知り合いを紹介したら紹介した人数によって割引もきくんだよ」

(怪しいどころの騒ぎじゃないんだけど!?)
 
 だが、高い瓶を買わされたくらいで私を売らなくてはならないほどの借金になるだろうか、と思わず首を傾げる。
 そんな私の疑問に気付いたのか、父の代わりにテオドルが口を開いた。

「万能薬には定期的に魔力を注入する必要があるそうです」
「ほう」
「そしてその魔力代は別途請求」
「ほう?」
「薬の効力をあげるための上質な魔力は更にお高くなります」
「ほう……」
「ザッとこれくらい」
「詐欺じゃん!!!」

 さらりと書かれた数字を見て目眩がする。
 何から何まで詐欺過ぎて、逆に何故これに騙されられるのか。

「でもさぁ、本当だったらいいなぁって思ったんだよぅ」
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