繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
5.その提案、頂きよ
「当然だけど、何も無かったわね」
その晩ひとりになった私は、誰もいないことをいいことにお行儀悪いとわかっていながらベッドにごろんと寝転がりそんなことを呟いた。
(本来の目的はテオドルだったんだもの、そりゃそうよ)
私の言い付け通り騎士団の訓練所へ行く準備をして待ってくれていたリーヤと合流し、軽食片手に訓練所へ向かう。
そんな私たちを迎えに来てくれる騎士なんて当然いなかったし、突如訓練所に現れた私たちを見て騎士団長自らが驚きながら何かあったのかと尋ねてきたくらいだ。
その様子を見ると、やはり夢のように訓練所へいることが当たり前ではないのだと実感させられた。
ただ、私自身もそのことに特にショックを受けることはなく、記憶を遡っても騎士団の訓練所に通った記憶はない。
「物凄くリアルな夢……にはやっぱり思えないんだけど」
記憶にはないが“覚えている”というこの状況に違和感はどうしても拭えない。だが少なくともこのままいけばテレーゼ子爵へ嫁がなくてもいいということはとてもありがたく、よくわからないが成果は上々なのだろう。
本当によくわからないが。
その晩ひとりになった私は、誰もいないことをいいことにお行儀悪いとわかっていながらベッドにごろんと寝転がりそんなことを呟いた。
(本来の目的はテオドルだったんだもの、そりゃそうよ)
私の言い付け通り騎士団の訓練所へ行く準備をして待ってくれていたリーヤと合流し、軽食片手に訓練所へ向かう。
そんな私たちを迎えに来てくれる騎士なんて当然いなかったし、突如訓練所に現れた私たちを見て騎士団長自らが驚きながら何かあったのかと尋ねてきたくらいだ。
その様子を見ると、やはり夢のように訓練所へいることが当たり前ではないのだと実感させられた。
ただ、私自身もそのことに特にショックを受けることはなく、記憶を遡っても騎士団の訓練所に通った記憶はない。
「物凄くリアルな夢……にはやっぱり思えないんだけど」
記憶にはないが“覚えている”というこの状況に違和感はどうしても拭えない。だが少なくともこのままいけばテレーゼ子爵へ嫁がなくてもいいということはとてもありがたく、よくわからないが成果は上々なのだろう。
本当によくわからないが。