繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
　私は彼が魔法を使っている姿を見たことがない。
　
「じゃあ使用する魔力量も、高位貴族であればあるほど多いってことですか」
「それがそうではありません。先ほども話にあったように僕たちは魔力の半分も使えてはいないのです。どれだけ保有する魔力量が多くても、使える量が少ないこともあるんです」

　そう説明する先生の言葉をノートへと書き写す。
　確かに全員が半分の魔力を使えたのなら高位貴族の方が使える魔力も多くなるのだろうが、人によって一割にも満たない量しか使えないこともあるのだろう。
　どれだけ保有する魔力が多かったとしても一割しか使えない者と、保有する魔力は少なくても半分使える者ならばきっと後者の方が出来ることは多いはず。

「使用する魔力量が多い人の特徴は何かあるんですか？」
「うん、いい質問ですね。基本的に限界まで使えば使うほど使える領域が増えるとされていて、主に騎士たちが最も多いとされていました」
「されて……いました？」

　過去形で説明されてことに首を傾げると、スウェン先生がにこりと微笑む。
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