繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件

　優し気に細めらるその緑色の瞳に、きっとドキリとする令嬢も多いのだろうな、なんてそんなことが一瞬頭を過った。

「えぇ。今はもう戦争などがなく平和ですから」

（そっか。確かに戦場で死線を潜りながら繰り返し限界まで魔力を使い続ければ徐々に使用領域が増えるわよね）

　そこまで考え、さっきまでピクリともしなかった心臓が思わずドキリと跳ねる。
　私の場合はただの夢のはずだが、それでも死んだことに間違いはないのだ。
　もしかしたら、夢の影響で私の魔力が強くなっているかもしれない。そしてだからこそ私に予知のような力が芽生えたのではないのか。
　そう考えたのだ。

　ドキドキと激しく鳴る鼓動を押さえるように胸に手を当て先生を見上げる。

「先生、私……」
「ッ、ソフィさん？」
「あの、私、もしかして」

（どうしよう。私昨日より強くなってますか、なんて突然聞いても訳がわからないわよね？）

　魔法学を教えて貰っているからといって、他人の魔力量がわかる訳ではないだろう。
　しかも保有する魔力量ではなく、使用する魔力量だ。それに突然気になった理由だって上手く話せない。