繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 先生の言うことには確かに一理ある。
 貴族令嬢として有益な誰かの元へ嫁ぐことが最も正しいと思っていたが、私が婿を取っても相手の家門との繋がりは持てるし、あえて嫡男と結婚し嫁ぐ必要はないのかもしれない。

「ちなみに僕は三男です」
「そうですね! 確かに貴族は基本的に二、三人の子供を持つものですしその提案はありかもしれません」

(それに婿を貰えば結婚してもこの家に居続けられる。つまりずっとテオドルを眺めながら暮らすことも出来るってことじゃないかしら)

「いい提案をありがとうございます!」
「あ、あー、はい。僕はソフィさんの先生ですから……」

 曖昧に笑う先生を少し不思議に思いながら、私も感謝の意を表現するために満面の笑顔を向ける。
 この素晴らしい提案をすぐにでも父へ伝え、誰かいないか確認したい。

 そう思った時、玄関ホールに冷ややかな声が響いた。

「おふたりで手を繋ぎ何をしているのですか」
「テオドル?」
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