繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
(何年巻き戻ったのかしら)

 私以上に動揺しているリーヤはつい先日まで見ていた彼女より明らかに若い。
 どうやら前回より多く巻き戻っているらしかった。

「ちょっと夢見が悪かったの。えーっと、その、私っていくつだっけ?」
「そんなに混乱するくらい恐ろしい夢を!? すぐ旦那様をお呼びしましょうか!?」
「お、大袈裟にしないで!? お父様はきっと素敵な夢の中よ! ちょっと気になったというか、未来を生きるような夢だったというか」
「そう……です、か。えっと、お嬢様は現在十五歳でいらっしゃいます。テオドル様のひとつ下になりますね」
「五年も……って、テオドル、様?」

 今までリーヤはテオドルを一度も様付けでなんて呼んだことはないはずだ。
 何故ならテオドルもリーヤも同じ使用人であり、そしてリーヤは伯爵家唯一の息女である私の専属侍女。
 使用人の中でも上位に当たる。

 そんな彼女が、テオドルを様付けしている現状に違和感を覚える。

(前回は執事だったけど、今回は何にジョブチェンジしたの?)

 ごくりと唾を呑んだ私が、慎重に口を開いた。

「テオドルは、いつもどこにいるの?」
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