繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
「まだ寝惚けておられるのですね」
「もう! でも、そうかも」

 リーヤにくすくすと笑われ、思わず頬を膨らませたが自分の年がわからなくなったのだ。
 そう言われてもおかしくはないな、と私も遅れて苦笑した。

「今日って起きてから何か予定はあったかしら」
「ソフィ様ってば、もう一度寝る気満々ですね?」

 リーヤが温めてくれたお湯に体を沈めながらそう聞くと、彼女が可笑しそうに微笑んだ。

「特に大事な要件も来客もございません。騎士団の訓練を見にいかれますか?」
「騎士団の?」

 彼女の言う騎士団とは伯爵家の騎士団のことだろう。
 何故そんな提案をされたのかと首を傾げると、逆にリーヤが不思議そうな顔をした。

「テオドル様の訓練を見に行かなくてもよろしいんですか?」
「テオ、ドル……?」

 リーヤが口にした名前を聞き、胸に熱い何かが込み上げる。
 思わず息を詰めた私は、どうしてか堪らなく泣きたい気持ちになった。

(どうしてこんな気持ちになるのかしら)

 だってテオドルとは、毎日のように会ってる。
 何故なら彼は、私の家の騎士なのだから。

「――……?」
「ソフィ様?」
「え?」
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