繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
せめて何かお返しがしたいと思い、欲しい物を聞いたら一瞬考え込んだテオドルが小さな声で「手紙」と答えた。
「手紙?」
「昔一度貰っただろ? あれ、すごく嬉しかったんだ」
「それって」
もしかして死に戻ったと気付いたあの日に書いた、ティータイムに誘うメモのことだろうか。
手紙と呼ぶにはお粗末で、文章も一文だけ。
だが、私もテオドルに貰った「わかった」とだけ書かれたあの返事を三年たった今も大事に引き出しに仕舞っている。
(テオドルも大事に残してくれているのかしら)
もしそうだったら嬉しいと思いつつ、私はこくりと頷いた。
「うん。このペンで書く。いっぱい書くわ」
「ありがとう、楽しみだ」
(お礼を言うのは私なのに)
まるで何かプレゼントを貰ったかのように破顔するテオドルに、胸がぎゅうっと締め付けられる。
どうかこの穏やかな時間が、この優しい時間が少しでも長く私たちのものでありますようにと、そう願わずにはいられなかった。
◇◇◇
テオドルからガラスペンを貰った日から数日後のことだった。
家族三人で朝食を取ったあと、父に呼ばれて私だけ執務室に呼ばれる。
「手紙?」
「昔一度貰っただろ? あれ、すごく嬉しかったんだ」
「それって」
もしかして死に戻ったと気付いたあの日に書いた、ティータイムに誘うメモのことだろうか。
手紙と呼ぶにはお粗末で、文章も一文だけ。
だが、私もテオドルに貰った「わかった」とだけ書かれたあの返事を三年たった今も大事に引き出しに仕舞っている。
(テオドルも大事に残してくれているのかしら)
もしそうだったら嬉しいと思いつつ、私はこくりと頷いた。
「うん。このペンで書く。いっぱい書くわ」
「ありがとう、楽しみだ」
(お礼を言うのは私なのに)
まるで何かプレゼントを貰ったかのように破顔するテオドルに、胸がぎゅうっと締め付けられる。
どうかこの穏やかな時間が、この優しい時間が少しでも長く私たちのものでありますようにと、そう願わずにはいられなかった。
◇◇◇
テオドルからガラスペンを貰った日から数日後のことだった。
家族三人で朝食を取ったあと、父に呼ばれて私だけ執務室に呼ばれる。