繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
11.崩れた幸せ
「ソフィ、何かあったのか?」
リーヤも連れず突然訪ねてきた私に驚いた様子のテオドルだったが、すぐに心配そうな顔をして部屋の中へと招き入れてくれた。
「私に、婚約の申し込みがあったらしいの」
「え」
その言葉に目を見開いたテオドルは、俯く私の前にそっと温かい紅茶を置いてくれる。
「相手は誠実そうな侯爵家の嫡男で、ここよりもう少し北に上がることになるけれどのどかでいい領地なんだと思う」
「そう、なのか」
紅茶を飲みながらテオドルの次の言葉を待つ。
もしかしたらここで逆上して私を殺そうとするかもしれない、なんてチラッと頭を過り、そんな考えが浮かぶくせにひとりでこの部屋に来た自分に苦笑した。
結局私は、殺されるかどうかではなく、テオドルにどう思われているのかの方が大事らしい。
(反対してくれるかしら)
結婚なんかせずずっとここにいればいいだろう、なんて引き留めてくれることを期待しつつ待っていると、気合を入れるようにゆっくりと彼が息を吸う。
「……俺は、いいと思う」
「え?」
「その相手が、ソフィを誰よりも大事にして幸せにしてくれるならそれでいい」
リーヤも連れず突然訪ねてきた私に驚いた様子のテオドルだったが、すぐに心配そうな顔をして部屋の中へと招き入れてくれた。
「私に、婚約の申し込みがあったらしいの」
「え」
その言葉に目を見開いたテオドルは、俯く私の前にそっと温かい紅茶を置いてくれる。
「相手は誠実そうな侯爵家の嫡男で、ここよりもう少し北に上がることになるけれどのどかでいい領地なんだと思う」
「そう、なのか」
紅茶を飲みながらテオドルの次の言葉を待つ。
もしかしたらここで逆上して私を殺そうとするかもしれない、なんてチラッと頭を過り、そんな考えが浮かぶくせにひとりでこの部屋に来た自分に苦笑した。
結局私は、殺されるかどうかではなく、テオドルにどう思われているのかの方が大事らしい。
(反対してくれるかしら)
結婚なんかせずずっとここにいればいいだろう、なんて引き留めてくれることを期待しつつ待っていると、気合を入れるようにゆっくりと彼が息を吸う。
「……俺は、いいと思う」
「え?」
「その相手が、ソフィを誰よりも大事にして幸せにしてくれるならそれでいい」