繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
(彼がちゃんといて、そして私を守ろうとしてくれてる)

 私も、自分の出来ることをしよう。

「私が次にしなきゃいけないのは、家庭教師を変えることだわ」

 今回の私に兄はいない。ならば、きっとまたスウェン先生が教師として現れるはずだ。
 だが、勉強を頑張ると決めた私がただ気に入らないからと家庭教師を断ると、家に利益をもたらす人物になるという目標と矛盾が発生する。
 それは避けなくてはならない。

 ふむ、と自身の顎に手を添えて思案した私は、机の上に置いたベルをチリンと鳴らした。

「お呼びでしょうか、ソフィ様」
「リーヤにお願いがあるの」

 私のその一言に一瞬不思議そうな顔をしたリーヤが、すぐに笑顔で頷いてくれる。

「なんなりとお申し付けください」

 彼女のその笑顔に頷き返し、私は魔法ではなく領地経営学に詳しい“女性”の教師役を探すようお願いしたのだった。

 
 そしてそんな日から更に四年の月日がたち、私は最初に死んだあの時と同じ二十歳になった。
 私の希望を聞いたリーヤが見つけてくれた新しい家庭教師は、西を治める辺境伯の叔母にあたる女性だった。
< 95 / 126 >

この作品をシェア

pagetop