幾度ものキャトルセゾンを見送って【新作】
「本当に?」

「ああ。オリエちゃんは何も心配しなくていいよ」

あの時の私は、夏川さんの言葉をそのまま受け止めた。

そして、ずっとプラトニック・ラブを続けて今に至る。

ところが、ラブストーリーには必ず粘膜の接触がセットになっているので、本当にこれでいいのかとモヤモヤしてしまった。

姉に相談しようと思ったが、姉は電話が苦手だというので、こちらからは余程のことがないとかけることが出来ない。

私は私で、電子メールが苦手だが、仕方なくラップトップを開くと、姉に相談したいことを書いた。

ラブストーリーでも、世間一般でも、恋愛と粘膜の接触はセットのようだが、果たしてプラトニック・ラブは成立するのか。

そう言った内容だ。

翌日、メールをチェックすると、姉から返信が届いていた。
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