守ってなんて頼んでいません! 〜学園の治安は、特待生の平和にかかっている!?〜
私には、将来【弁護士】になるという夢がある。
その夢を叶えるために、桜宮学園にどうしても来たかった。
地元の公立中学校じゃ、真面目に勉強してたら「根暗」とか「ガリ勉」って、からかわれちゃう。
だから、受験しないと入学できない桜宮学園へ来たというのにーー。
「まさか、こんなことになるなんて……」
私は大きなため息をついた。
桜宮学園の中央にある中庭には、生徒達が安らげるようにと緑がたくさんある。
芝生の真ん中には、噴水がある。
そして、その噴水に私のカバンや教科書がプカプカと浮いている。
わざと誰かに荷物を噴水に捨てられたのだ。
勉強に忙しいこの学校で、こんな幼稚なことをされるとは思ってもいなかった。