守ってなんて頼んでいません! 〜学園の治安は、特待生の平和にかかっている!?〜



「ん? もしかして、これか?」


そう言って男が水から手を出すと、その手には私が探し求めていた生活費の入ったピンク色の財布が出てきた。


まだ数分も経っていないのに、あっという間に見つけてしまったのだ。


「そ、それです! わ……よかった……」


「そんなに大切な物だったのかい?」


財布が見たかったのに、不思議そうに言う男に疑問が生じた。


まぁ、この人ここの生徒だから……財布に入ってる現金をはした金とか思ってるのかな?


「そりゃあ、お金が入ってる財布ですよ? 大切じゃないわけないじゃないですか。ありがとうございます……!」


とりあえず、男に頭を下げてお礼を伝えると、私達は噴水から出た。


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