亡国王女の占い師は、情熱の地で若き覇王に甘く優しく溺愛される

初めての口づけ


 優しく触れた唇。

「ん……」

 心臓が破裂しそうなほど、ドキドキしている。
  
「マキラ……」

 少し離れた唇から、シィーンの熱い吐息を感じた。
 恥ずかしいのに……もっとしたくなる。

 これが……口づけ……。

 そしてまた重なった唇だったが、シィーンの腕にも熱がこもって舌を絡められた。
 熱い吐息と柔らかな舌が絡んで、マキラの全身に快感が走る。

「んっ……ひゃっ!! きゃーーー!!」
 
 初めての深い口づけ。
 驚いたマキラは、シィーンを突き飛ばした。
 シィーンが、ソファでふんぞり返る。
 
「いてっ」

「ななななな、やややや!! い、今な、なにを……わ、私はそんな尻軽じゃないんだから!!」

 実はマキラにとって、初めての口づけだった。
 彼女に男性経験など一切無い。

 舌が絡んだ口づけなど、この世にあるとは思わなかった。
 あんな快感が……この世にあるだなんて……!
 マキラにとっては、あまりにも刺激が強すぎた。
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