俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛

潤一郎は金丸と会社に向かった。

実は村藤コーポレーションは経営状況が思わしくない。

そのため、取引先と合併の話が水面下で進んでいた。

潤一郎は合併する取引先令嬢との婚約が決まっていた。

まだ、本人は知らないことだった。

「社長、今日は取引先のお嬢様白鳥ゆかり様とお食事の予定がございます」

「白鳥不動産の令嬢だよな、なんで令嬢と俺が食事しないといけないんだ」

「もちろん、白鳥社長もご同席されます」

「俺、あやかが食事作って待っててくれるから、仕事の話は勤務中にしてほしいんだけど」

「是非、ゆかり様がお目にかかりたいとのご希望です」

「わかった」

こういう話は本人よりも、周りの社員の方が情報が早い。

あっという間に潤一郎と白鳥不動産の令嬢が結婚するとうわさが流れた。

「八神さん、知ってます、社長と白鳥不動産ご令嬢が結婚するそうですよ」

「えっ」

あやかは周りの音が聞こえなくなり、時間が止まったような錯覚に陥った。

「八神さん」