俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
「失礼致します、総務部の真壁梨花と申します」

「どうぞ」

梨花は社長室に入った。

「あのう、明日、あやか先輩と会うんです、渋谷のハチ公前に十一時に」

「あやかと」

「はい、先輩が退職してからずっとLINEしていて、三年ぶりに食事しようと言うことになったんです」

「あやかは元気にしているのか」

「はい」

「そうか」
「では失礼します」

梨花は社長室を後にした。

(社長、あやか先輩に会いに行くかな、行くよね、きっと)

そして、約束の時間、あやかは鏡をじっと見つめていた。

その時、その鏡に映し出されたのは潤一郎だった。

(潤一郎さん)

あやかはびっくりして、慌てて振り向いた。

そこには紛れもない潤一郎だった。

「あやか、元気だったか」

潤一郎はそう言ってあやかに近づいた。

あやかは何を思ったか、急に振り向き走り出した。

「あやか、待って」

潤一郎はあやかの腕を掴んで、引き寄せた。

顔が急接近して、じっと見つめあった。

「離してください」

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