俺と結婚してくれ〜若き御曹司の真実の愛
あやかの手は震えていた。

潤一郎は一命を取り留めた。

しばらくして、個室に移ることが出来た。

しかし意識が戻らない。

あやかは毎日、潤一郎の病室に足を運んだ。

潤一郎の手を握り、色々なことを話かけた。

「潤一郎さん、初めて出会ったとき、なんて人なんだろうって思いました、だって、
社員に個人携帯番号教えるなんて……まさか私を思ってくださってるなんて想像もつきませんでした」

あやかは言葉を続けた。

「私は過去のトラウマから、男性の言葉を信じられませんでした、ですから潤一郎さん
言葉も信じられませんでした、でも潤一郎さんは私に真実の愛を与えてくれたんですね、
勝手に姿を消したのに、三年間も待ってくれていたなんて……」

そんなある日、握っていた潤一郎の指が動いたように感じた。

「潤一郎さん、潤一郎さん」

しかし、あやかの呼びかけに潤一郎は答えることはなかった。

あやかは疲れが出たのか、潤一郎のベッドに顔をつけて眠ってしまった。

その時、潤一郎の意識が戻った。

< 78 / 80 >

この作品をシェア

pagetop