転生先は悪妻~旦那様はお呼びじゃないの~
「問題はありません。すでに兄上の噂は国王陛下の耳にも届いています。俺が進言したら、快く引き受けてくださいましたし」
「それはオリヴァーが公爵になる件でしょう」
「プラス義姉上の件もです。外の噂など耳に入って来ないくらい、仕事が忙しいのでお教えしますが、今の義姉上はこう呼ばれています。『賢妻』だと」
「三カ月よ? 『悪妻』が『賢妻』になるなんてあり得ないわ」
人の噂も七十五日、というけれど、長年悪妻という評判だった私が、いきなり賢妻だなんて……。まさか……!
「旦那様の噂も流れているの?」
愛人を別棟とはいえ、邸宅内に住まわせて自堕落な生活を送っている夫。彼に捨てられても尚、家を切り盛りする女主人、と世間が勘違いしていてもおかしくはなかった。
「えぇ。そういうわけで義姉上の評判がうなぎ登りなんです。故に、俺との婚姻も認めてくださいました。勿論、兄上が廃嫡になった瞬間、離婚が成立する手続きも、すでに済ませています」
「済ませているって、まさかっ!」
「はい。義姉上のご実家である、ユクントリー伯爵家の承諾を得たんです。黙ってやったことは謝ります」
私は首を横に振った。
「それはオリヴァーが公爵になる件でしょう」
「プラス義姉上の件もです。外の噂など耳に入って来ないくらい、仕事が忙しいのでお教えしますが、今の義姉上はこう呼ばれています。『賢妻』だと」
「三カ月よ? 『悪妻』が『賢妻』になるなんてあり得ないわ」
人の噂も七十五日、というけれど、長年悪妻という評判だった私が、いきなり賢妻だなんて……。まさか……!
「旦那様の噂も流れているの?」
愛人を別棟とはいえ、邸宅内に住まわせて自堕落な生活を送っている夫。彼に捨てられても尚、家を切り盛りする女主人、と世間が勘違いしていてもおかしくはなかった。
「えぇ。そういうわけで義姉上の評判がうなぎ登りなんです。故に、俺との婚姻も認めてくださいました。勿論、兄上が廃嫡になった瞬間、離婚が成立する手続きも、すでに済ませています」
「済ませているって、まさかっ!」
「はい。義姉上のご実家である、ユクントリー伯爵家の承諾を得たんです。黙ってやったことは謝ります」
私は首を横に振った。